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you can't teach an old dog new tricks

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ジャック・ハルフォード / ジェームス・ボラン

UCOS入りが最初に決まったサンドラの元上司。賞も受けた優秀な刑事で、緻密で正統派な捜査方法は今も健在。メンバー1の年嵩ということもあり、サンドラのサブ的な役割を果たしています。人をまとめるのはお手の物なのでしょう。

人柄は良識的で誠実。とりわけ被害者遺族への対応は適度に距離を置きながらも親身で、結果を出すことに気を取られることのあるサンドラのブレーキになっています。これには後述する自身の経験した事件も大きく影響していると思いますが、その前から功に走らず事件の真の解決を追求する良い刑事だったのではないかと勝手に想像しています。

一方結構短気な一面もありますね。時に捜査で個人的な感情に動かされることがあり、そうなるとチームを監督する立場にいるうえ似た者同士なところがあるサンドラとはまともに衝突してしまいます。またぼそりとつぶやく言葉が非常にシニカルで、言い回しの英国っぽさが誠にたまりません。折り目正しい英国紳士の印象とのギャップが個人的にはとてもツボです。

ジャックを語るうえで欠かすことができないのが、早期退職の原因ともなった愛妻メアリーとの死別です。メアリーはひき逃げされ、ジャックの看病もむなしく亡くなりました。ひき逃げ犯が捕まっていないことも手伝い、ジャックはいまだ彼女の死から立ち直れていません。妻への愛情の一途さはそのままジャックの抱 える闇の深さにつながっている気がして、胸を打たれると同時に痛ましくて目をそむけたくもなります。自宅の庭にある妻の墓に話しかける姿は番組の恒例にもなっており公式ページでは趣味とまで書かれていますが、園芸やゴルフを好む描写も見られ、メアリーが健在であればこうした本来の趣味にいそしむ心穏やかで 充実した老後を送っていただろうと思うとますます胸がつまりますね。ふとした時にのぞく孤独感に、どうか幸せになってほしいと祈らずにはいられません。

UCOS内ではチームの動向を常に冷静に計っているようなところがあり、ここにもあのサンドラが真っ先にチームに引き入れるほど信頼を置いたかつての上司ぶりがしのばれます。一方で男性陣の悪ノリに付き合う陽気さも持ち合わせているのがいいですね。サンドラと男性陣をつなぐ位置にあり、ある意味でUCOSでの立ち位置が一番微妙なメンバーでもありました。UCOSを風通しのいいフランクな部署へと方向づけるうえでジャックのさりげない配慮は大きくものをいったのではないかと推測し、改めてwise manであるとの認識を深める次第であります。



ジャックを演じるのはジェームス・ボランさん。。1935年生まれ、ブライアン役アランさんと同郷のダラム出身。奥さんはエスタ役のスーザンさん。テレビ とラジオでの活躍が多いようです。特に「The Likely Lads」というTVドラマで主演をつとめたのが有名。2009年にはMBEを受勲しました。私生活のことは滅多に話さないそうですが、アマチュア・オー ケストラ(バイオリン担当)・合唱団(バリトン担当)・ゴルフクラブに参加する多趣味な方のようです。「New Tricks」はシーズン8で降板し、シーズン9の第1話のカメオ出演が最後のジャック役になりました。

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サンドラ・プルマン / アマンダ・レッドマン

UCOS率いる警視。メンバー唯一の女性で、唯一の現職警官。その手腕は誰もが認めるところで、命令をくだす姿は爽快なほどサマになっていますが、 UCOS行きのきっかけになった人質事件での失態は不運であったとは言えまぬけそのもの。猿も木から落ちるとはまさにこのことですなあ。

性格は真面目でまっすぐ。へつらうことを良しとせず、しかも有能さという裏付けがあるから、男性からは「嫌な女」扱いされがちなのでは。一方で同性からも敵視されることがままあるので、基本的に敵を作りやすいタイプなのかもしれないですね。発言も辛辣で攻撃的だし。

男気は「ニュー・トリックス」随一。けれども女性であることを否定しているわけじゃなくて、女性に対する差別などには敏感に反応します。なのに女性から 「連帯が感じられない」ふうに見られがちなのが辛いところですね。女性を武器にしたり言い訳に使うことには人一倍厳しいので、そこまで強くなれない同性の 反感を買ってしまうのかもしれません。ドレスをかっこよく着こなし女性を楽しみつつ、女も男もなくフェアを貫こうとするサンドラは素敵だと思いますけど ね。かっこいい路線の女性キャラはわざとらしさが鼻につくことも多くて、「かっこよさは異性よりも同性の方が難しいのかもしれない」などと思うのですが、 サンドラは素直に感情移入できるし応援したくなります。

仕事一筋ですが、公式ページでわざわざ書かれてしまうほど「私生活がお寒い」のがそのせいだけなのかは若干疑問が残るところ。仕事では大いに活躍する聡明さと切れ味の良さが仇になっている気がしないでもありません。わりと恋心を寄せられることも多く、本人にもその気がないわけではないのに、なぜかろくな男性とお近づきになれません。そのせいでサンドラも嫌気がさしてしまったのか、最近は恋愛の話が少なくなっている気がして寂しいですね。せっかくサンドラは恋愛をする気があるのですから、いい人が見つかってほしいものです。親しい友人が画面に登場しないのは、機会がないだけでしょう。きっと。

肝心のUCOSメンバーとの関係は良好と言っていいでしょう。良くも悪くもお互いに遠慮がなくて、サンドラにとっては比較的気の置けない間柄なのではない でしょうか。一番の若手ですが十分すぎるほど仕切れていて、「サンドラなしのUCOSはありえない」とメンバーに思わせるあたりはさすがの一語。家庭的な 職場らしく、メンバーそれぞれの事情を慮る姿もちょくちょく見られます。決してべたべたしませんが、相手に合わせてうまく対応を変えていて、サンドラの細 やかな一面がうかがえます。反対におじいちゃんズが時に焼きもちを焼きながらサンドラを見守っている場面も多くあり、実に心温まるわけです。



サンドラを演じるのはアマンダ・レッドマンさん。1957年生まれ、ブライトン出身。生後15か月の時に死亡を宣告されるほどの大やけどを負いましたが、奇跡的に回復。成長してからはローレンス・オリビエ創設の演劇学校で演技の勉強を重ねます。
一番有名な役はニュー・トリックスのサンドラなのでしょうか。他にもテレビやラジオで活躍。共同創設した演劇学校の校長先生でもあるそうです。

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さよならジャック

週末に知ったのですが、シーズン8でジャックがニュー・トリックスを降板するそうですね。
もうニュースというには日が経ち過ぎているのですが、ショックが大きいので誰かと共有したくて・・・。
他のメンバーは続投で、あと2シーズンは作るそうです。
最近はジャックがいないUCOS(S5の最初)を見ているのですが、しばらくお休みしようかな。寂しい。

若干ネタバレ入りますが、最新シーズンの最終話では「メアリーがいない人生に意味を見いだせないから、敢えて危険な行動を取っている」というジャックのセリフがあるのだとか。
現実にジャックがいたら本当の修羅場はハンソンとの決着後だと思っていましたが、まさかドラマでその通りにしてくれるとは。
ニュー・トリックスは時々残酷なほどリアルになるので、見ていて辛いものがあります。口当たりのいいお話は英国では受けないのかもしれませんね。

そうそう、大切なことを言い忘れました。ジャック、ジャック役のボランさん、今までありがとうございました!
日本ではあと2シーズンあるので、心の準備をしながら見たいと思います。
いい夫婦の日にジャック引退の話をするなんてなんだか皮肉だなあ。

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S5#1「命の価値」

イギリスにおけるニュー・トリックスの視聴率、平均30%らしいですよ。何気にすごい数字ですよね。
そんなニュー・トリックスがチャンネル銀河さん以外でも見られるようになったって知ってましたか?
楽天がやっているShowTimeという動画サイトさんで有料配信中です。
今のところシーズン3まで見られるみたいですよ。CATV入っていない方はぜひ!
本当はDVDで出してほしいんですけどね。

さてさて、本日はS5#1「命の価値」の感想に行きます。
シーズン最終話以外はからっと明るいニュー・トリックス・・・のはずなのですが。



・5年前、ウィーラーという男が銃殺された。彼の莫大な遺産を相続したのは亡くなるたった3か月前に恋仲になったカーリーだ。UCOSは二人の出会いに疑 問を持つが、カーリーがウィーラーの娘・ナオミから角膜を提供された縁で知り合ったことが判明する。どうやらウィーラーは他のレシピエントとも接触を持っ ていたようで・・・。事件の捜査を進める一方で、UCOSはついに始まったハンソン裁判の証人台に立つ。

・鬱回はシーズンエンドだけ、というニュー・トリックスの不文律を破ったエピソードです。S6まで見終わっているのでこの後の展開も知っているのですが、 それでもこの回を見るのはあまり気が進みません。スイカをより甘く食べたければ塩が必要!と訳が分からない理屈で自分を奮い立たせます。

・ウィーラー事件を持ち込んだのは、ジャックの知り合いの弁護士サム・タリス。確かS2#1にも登場していましたね。

・UCOS in 法廷。先発のブライアンは前日から緊張気味で、他の3人も視聴者も一抹どころでない不安に襲われます。危惧はあたり、ハンソンの弁護士の攻撃に取り乱して しまうブライアン。当然追及の矛先は他のメンバーにも向かい、UCOSは苦しい立場に追い込まれます。特にエミリーと血縁関係にないことをエミリー本人の前でばらされることになったジェリーは気の毒としか言いようがありません(ネタバレ反転)一連の裁判シーンは見ていて本当にもどかしくなります。

・そんなUCOSvsハンソンに気を取られて再視聴するまですっかり記憶から抜け落ちていましたが、事件のパートもドラマチックで面白いエピソードでした。ウィー ラーが殺されたのは、ナオミの臓器の不正取引を(無自覚に)阻止したことへの逆恨み。実際に阻止したのはナオミの彼氏の賢明な判断でしたが。彼氏が不正取 引の件をウィーラーに話したと証言していた時には、てっきり事の次第を知ったウィーラーに詰め寄られて殺してしまったのかと予想しましたが、ふたを開けて みると更にどうしようもない理由でしたね。(ネタバレ反転)

・邦題「命の価値」は日本オリジナルですが、原題の「Spare Parts」以上にしっくりきました。
ナオミの臓器が手に入らなかったせいで恋人が死んでしまった。彼女はとても素晴らしい人間で あり、生き延びるべき存在だった。実際に提供を受けた人たちとは生まれつき命の価値が違う。そんな犯人の主張は身勝手としか言いようがありません。でも、 同じ殺人未遂を犯してもジャックは応援してしまう私には、「命の価値」について頭ごなしに批判する資格はない気もしました。「命の価値」をどう考えるか と、実際に人を殺してしまうのとでは、全く話が違いますけどね。(ネタバレ反転)

裁判の方は予想通りハンソンの勝利。ショックを受けたジャックはUCOSの監視の目をかい くぐって姿を消してしまいます。身の回りを整理して消えたジャックに、不安を抑えられないUCOS。エスタのせりふが若干の救いになりますが・・・。次回 からしばらくジャック不在のUCOSが続きます。(ネタバレ反転)

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