2011/11/05 Category : S4感想 S4#6「埋められた秘密」 本日はニュー・トリックスS4#6「埋められた秘密」の感想に参ります! ・ブライアンの飼い犬・スキャンピーが散歩中に、地中から人骨を掘り起こした。ほどなく人骨は中世の女性のものと判明するのだが、その前に人骨の身元につ いて2人の人間から問い合わせの電話が入る。1人はマフィアのボスの未亡人、もう1人は失踪した土地ブローカーの隣人だ。不審に思ったUCOSは捜査を開 始し、二つの事件にたどり着く。 ・今回のUCOSは監査準備期間中。刑事のお仕事もいろいろありますね。こういう時に頼りになるのは案の定ブライアンです。他のメンバーはいかにも面倒く さそうで、「俺(私)は会計士じゃない!」というセリフが二度も出てくる始末。会計士と言えばモンティ・パイソンもけちょんけちょんにいじめ倒していまし たが、イギリスではあまりいいイメージがないのでしょうか。 ・そんなわけでブライアンは特に事件と監査準備を行ったり来たりで忙しい回でしたね。エスタの留守中にアリスという女性とも仲良くなるし。こういう言い方をするとあれですが、別にやましい関係ではありません。ブライアンは専門分野がある人と仲を深める傾向がありますね。 ・中盤くらいまではサンドラに隠れておじいちゃんズだけで捜査をしていました。男性陣の結束力が感じられるシーンは毎度微笑ましいです。もちろんサンドラもただごまかされているだけではなく、存在感たっぷりでした。いたずら坊主たちの手綱を握る女性教師って感じ(笑) ・特に目立ったエピソードはないのですが、キャラクター全員の有能さが随所で発揮されているところが魅力的。しかもそれぞれの個性を反映した有能さなのがいいです。「最後の生き残り」スタンディングさんにとりあえず惚れ直しますよね。金はジェリーの最大の弱点ですが、それを上回る正義感を持っているのがジェリーの魅力だと思います。(←ネタバレ反転) ・犯していない殺人から信仰に目覚めた未亡人からは、ギャングの妻の面影が感じられません。夫への愛はそれ だけ深かったということでしょうか。一方土地ブローカー失踪にも隣人夫婦の関係が絡んでいました。こちらの事件の被害者はあまり同情できませんが、だから と言って殺しちゃダメ絶対。真相がわかってから見ると、殺人犯にされてしまった元共同経営者も真犯人と似たような目にあったのかなと思ってしまったのです が・・・。なんとなく、反応からそんな気が。邪推でした、すみません。(←ネタバレ反転) ・ジェリーの大失態をフォローしたブライアンに拍手!大活躍のわりに扱いがひどいですが。まあ、匂いって気になりますよね。お風呂に入ってゆっくり休んで! PR
2011/09/18 Category : S4感想 S4#7「父のプライド」 ニュー・トリックスS3の再放送も決定したようですね。これはやっぱりS6まで一気に再放送でしょうか。 一方本国ではS8が終わったばかり。最終回という表現はなかったようですが、「2011年までは製作する」という発表が以前あったそうなので、S9に続くのか非常に気になるところです。 とりあえず本日はS4#7「父のプライド」の感想にいきます! ・取り壊し中のパブから、未解決の殺人事件で犯人が持ち去ったカメラと多数のフィルムが発見された。殺されたのはパブと同じ地区にある写真屋のスチュアー ド。殺人が起こった夜、現場付近一帯が警察により封鎖されていたため、犯人は証拠品をパブに隠したらしい。UCOSは遺留品に事件の謎を解くカギがあると にらみ、フィルムを現像する。するとフィルムの一本から浮気現場や麻薬を打つシーンをとらえた写真が見つかった。さらに遺留品には犯人のものと思われる DNAも付着していたのだが・・・。 ・複数の脚本家さんが担当するシリーズものだとどうしてもありがちなのが、自分のイメージと違うキャラクターの言動のような気がします。個人的に本エピ ソードはところどころそんな部分がある回。ただキャラクターイメージなんて単なる好みの話ですから、他の方が見たら何の違和感もないかもしれません。事件 の方は登場人物もミスリードも多く、込み入っていて面白かったです。 ・冒頭にそろってパブを見に行くUCOS。全員がてんでんばらばらの話題で盛り上がっていて、フリーダムっぷりがさく裂しています。ブライアンは息子マー クの結婚を報告。ジェリー以外はずいぶんぞんざいな反応でしたが、おめでたいニュースですね。めでたいニュースのはずなのですが。 ・前シーズンでジェリーの「娘」となったエミリー、S4ではこの回が初登場でしょうか。向上心の強い彼女はもっと上を目指すために先輩刑事の助言が必要と しているところだとか。彼女からそう聞かされたジェリーは自分の出番と張り切りますが、彼女の目的はサンドラを紹介してもらうことでした。そう知っても しゃしゃり出るジェリーは確かにうっとうしいのですが、最初の誤解も無理からぬような気がするので、ちょっと気の毒な感じ。彼女はこの捜査の終盤で大活躍 をするのですが、そのシーンでもジェリーは父親ぶりを見せてくれます。血のつながりがなく、しかもどちらかというと鼻っ柱が強いタイプのエミリーを、フリ でなく本当にかわいがっているジェリーが大好き。 ・今回フィーチャーされていたのがブライアン。キーワードは「写真」です。ブライアンは息子の結婚がきっかけになって家族写真を見返し、自分が家族の風景 にいないことに気づいて荒れてしまいます。だからといって大切なエスタが写っている写真を破くかなーと思うのですが。そんなブライアンを浮上させたジェ リーのセリフも、ちょっと責任転嫁っぽくてらしくない気がしました。 ・でも発見されたフィルムを本来の持ち主に返して回るシーンはすごく好きです。家族写真を返せば喜ばれるだろうと持ち主たちを回るブライアンとジャックで すが、年月が経ち人間関係も変化しているらしく、写真を見た途端に泣き出す人までいる始末。「こんな仕事だけどたまには喜ばれる顔を見たい」というブライ アンの本音も、「人生には小雨が降ることもある」というジャックのセリフも、ニュー・トリックスらしいと思いました。 ・なんといっても気になるのはサンドラの恋の行方ですね。今回のお相手はフィルムに映っていた男性モデル。今はモデル業をやめ、芸術家の仕事に専念してい ます。ここでも刑事という職業は因果なもので、サンドラの出会う男性たちは毎度毎度「訳あり」。でも今回の人とは最終的にお付き合いすることになったよう です。今のところ再登場していないと思うのですが、関係は続いているのでしょうか。気になるところです。
2011/08/26 Category : S3感想 S3#2「カリスマ活動家の死」 同じ作品を何度でも楽しめるのがオタクのいいところかもしれませんね。というより、繰り返し見ないと見た気がしない!(重症) そんなわけで本日はニュー・トリックスS3#2「カリスマ活動家の死」感想にいきます! ・30年前、カリスマ的な労働活動家だったジョーの死体がテムズ川で発見された。組合資金の着服疑惑を苦にしての自殺として片づけられたが、最近になって彼が政府から危険視され、公安にマークされていたことが発覚。UCOSは殺人の可能性を視野に入れて再捜査を始める。 ・事件も捜査手法も非常に地味でオーソドックスですが、最後まで真相を読ませないつくりになっているので面白く見ることができる回でした。加えてこのエピ ソードは事件関係者とUCSOの人間模様が非常に印象的です。UCOSメンバーだけで考えても、それぞれに見どころがあり、なおかつお互いのエピソードが 殺しあっていないので、2,3話をまとめて見たような充実感がありました。ニュー・トリックスで一番見ている回数が多いのは多分このお話だと思います。 ・そんなわけで今回の感想は人間模様に重点を置いて行きたいと思います。見どころその1はサンドラと被害者の娘・アニータの関係。二人はあくまで警察と事 件関係者という立場を崩しませんでしたが、「父を早くに亡くした」という共通の経験から心を通わせていました。自分の満たされない気持ちを素直に語った り、ああいった形で他者に共感するサンドラは珍しいような気がします。 ・見どころその2はブライアンとジェリー(とエスタ)です。今回のブライアンは薬を飲むのを勝手にやめてしまい、精神に不調をきたしています。ところ構わ ず労働者の権利について一席ぶつなど挙動不審で、もちろん仕事になりません。そんなブライアンを叱り、薬を飲ませたのがジェリーでした。半ば子供を相手に しているようなジェリーの対応と、憮然としているブライアンの対比がいいです。多分UCOSで出会わなければ仲良くならなかったこの二人が、若干ちぐはぐ な関係ながら実はよく噛み合っている不思議。ジェリー好きとしてはアフターフォローまで完璧な彼の面倒見の良さに乾杯したいところです。 ・個人的に最大の見所だったのはジャックと旧友フランクの関係です。このパートだけのためにこの1話を見る価値があると思います。本気で。 かつてはメアリーも交えて親しく付き合っていたフランク。しかしいつのまにか不仲になってし まい、今回聞き込みでジャックから訪れたのが久々の再会となったようです。時を置いてもフランクは全く態度を和らげていないうえ、病み衰えて死を目前とし ており、ジャックは大変ショックを受けます。思わず自宅でアルバムを開けば、そこには若かりしフランクと自分、そして今は亡きメアリーの姿。「もっと早く 和解していれば」と悔やむジャックですが、恐らくそうしなかったのは不仲の原因がよくわかっていなかったからなのでしょう。不仲の真相はこのお話のラス ト、病院に運び込まれたフランクをジャックが見舞うシーンで明かされます。恐らく会うのはこれが最後、というシーンで和解する二人。また重みを増した思い 出と共に生きていくジャックが切ないです。(←ネタバレ反転) ・今回のエピソードはしんみり切ない要素を多く含みながらも、抑えた脚本と演技のおかげで程よい後味になっています。特にジャックパートが心に沁みるのは、変に盛り上げずにサイドストーリーに徹したからでしょう。この節度がニュー・トリックスらしくて大好きです。
2011/08/04 Category : Pre・S1感想 S1#3「青春の影」 9月の番組表も出ましたが、このペースで再放送が進むと年内のS7放送は無理でしょうか。 本日はニュー・トリックスS1#3「青春の影」レビューです! ・20年前、平和キャンプで学生運動家のジョシュが撲殺された。容疑者にあがったのは運動仲間のフランク、イモジェン、コリン、エレノア。現在は精神疾患 の患者、やり手事業家、政府職員、筋金入りの運動家と立場がばらばらになった4人だが、ただひとつ共通することがあった。四人ともジョシュの死に公安が絡 んでいると主張しているのだ。 ・直近で見たS1#1と比べると、間に1話しかないにもかかわらず、UCOSの関係が段違いによくなっています。今回の組み合わせもジャック&ブライア ン、サンドラ&ジェリー。S6まで通してみるとサンドラ&ジャック、ジェリー&ブライアンの組み合わせが多い印象ですが、初期は違ったようですね。 ・心を病み殺人を犯したフランクの聞きこみはジャック&ブライアンの担当。メンタル系のことになるとブライアンはもろ刃の剣という感じがしますが、今回はこの人選が功を奏しました。 ・当時の新聞から、犯行時刻をまたいである異変が起きていたことがわかります。これを発見したのはジャックでしたが、緻密な彼らしい捜査だと感動しました。些細なことを大事にするのが名刑事の秘訣ですね。 ・さまざまな観点から捜査を進めていくと、必ずちらつくのが公安の存在。おじいちゃんズとサンドラでは公安に対する意識が違うようです。時代の変化でしょうか。それともサンドラが強気すぎる(笑)のでしょうか。その両方の気がしますが。 ・そんなサンドラが思わせぶりな態度で帰ったものですから、おじいちゃんズは「もしや公安に一人で殴り込みに行ったのでは」と疑心暗鬼に駆られます。そし て取った行動が・・・尾行(笑)3人がわたわたとサンドラを追うシーンはかわいすぎて見物です。結局見当違い勘違いだったうえ、サンドラにばれて逆鱗に触 れるわけですが(当たり前)。でもかなりマナー違反のことをされたわりに、サンドラはその後ジェリーが自宅に来たと勘違いしてにっこりしているくらいなの で、一応おじいちゃんズの気持ちは伝わったようです。サンドラも2話の間に様変わりですね。 ・おじいちゃんズの必死の努力もむなしく、サンドラは公安と接触してしまうのですが。ここからはまさにサンドラ無双。最初から腰が引けていたおじいちゃん ズとは違い、堂々と公安と掛け合っています。もちろんおじいちゃんズだっていざとなったら無双っぷりを発揮してくれたと思いますが。 ・で もこういうシチュエーションで公安が犯人ということはないなーというのは最初から見当がつきますよね(笑)結局この事件は仲間内の痴情のもつれが原因でし た。その痴情から一人だけ蚊帳の外だったフランクの当時の立ち位置がなんとなく偲ばれます。コリンとイモジェンはどっちもどっちですね。(←ネタバレ反転) ・事件を通じて知り合った公安関係者となにやらただならぬ雰囲気をかもしだすサンドラに、ジェリーが「危険なゲームはやめておけ」といらぬおせっかいをし ます(笑)まったく相手にされていませんが。今見直すと、「サンドラを見守るおじいちゃんズ」の構図が確立したのがこのお話だったのかもしれません。最初 のとげとげしさを考えると、かなり展開が早いですね。 S7放送が始まるまでに、ニュー・トリックスファンが増えてくれたら嬉しい!